BLOG:No.1 Chap1.ロードバランサーとは何か 1.1変化するロードバランサー(SLB)の役割
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ロードバランサーはインターネットの普及に伴い、増大するサーバへのアクセス負荷を軽減することで利用が進みました。当時のハードウェア性能が不十分なサーバでは増大するアクセスに対応できないため、複数サーバによるクラスタリング構成を実現する手段がロードバランサーでした。この結果、サービスの応答性能を確保し、連続したサービスの提供が可能となりました。こういった役割から、ロードバランサーはネットワーク装置の1つとして重要な位置を占めることになりました。
時代が進むと、インターネットサービスの提供では多くの機能と強力なセキュリティが求められるようになりました。この結果、サーバは高度なサービス提供のためのアプリケーションの強化とセキュリティ対策が必要となりました。この対応に一役買ったのがロードバランサーでした。
SSLによる暗号化やアクセスユーザの認証など、サービスに必要な機能ではあるがアプリケーションからするとインフラ的な存在となる機能。こういった機能をサーバから切り離し、ロードバランサーに実行させることでサーバの負荷をより一層軽減させる方向に変化しました。また、Webサービスの高度化により、本来ステートレスなプロトコルであるHTTPでステートフルなサービスを実現する手法が現れました。これは複数のセッションを同一のサーバが継続して維持することであり、ロードバランサーもパーシステンスという技術を用いて対応しました。
ロードバランサーは、インターネットサービスの変化に伴い、アプリケーションを効率よく運用するための多くの機能を実装してきました。現在、ロードバランサーをADC(Application Delivery Controler)と呼ぶのは、アクセスユーザに対して効果的に提供するための仕組みを実装してきたためと言えます。
By ADC Engineers